2020年4月アーカイブ

資金繰り支援融資を受けるべきか?

最近、(主にクリニックの)お客様から
「銀行から『新型コロナ関係で資金繰り支援融資があるので利用しませんか』と言われているのだけれど、利用すべきでしょうか?」
というご相談を受けることが増えました。

結論から言えば「利子補給があり、かつ、手元資金が毎月の(費用支出額+借入金返済額)の半年分以上を確保していない」状況であれば、できるだけ利用すべきだと思います。

理由は、最近の医療機関の収益減少が著しいからです。
また、つい先日、茨城県で患者さんがPCR検査を受けた事実を隠して外来を受診し、クリニックが外来受診中止に追い込まれた事例も発生しています。
医療機関は新型コロナ対応の最前線にあり、最もリスクの高い業種のひとつです。
いつ何時、一時閉鎖等に追い込まれても不思議ではありません。
また、離職増加による人件費の高騰など、収益減少以外の経営圧迫要因もあります。

このようなときに、手元資金が潤沢にない状況ではこころもとありません。
コロナと闘うにしても、丸腰では闘えませんよね。

経営支援策については、このところ矢継ぎ早に出されているので、別にまとめてみようと思います。

日本公認会計士協会の会長声明

昨日の新型コロナ緊急事態宣言を受けて、昨日付で日本公認会計士協会の会長声明が発出されました。

内容としては
①決算業務に重大な遅延が生じている可能性が大である。
②緊急事態宣言を受けて、今後ますます決算・監査業務への制約が甚大になることが予想される。
③そのような状況においても決算・監査の信頼性確保は資本市場の維持のために必要である。
④決算の完了と監査業務の遂行のために、有価証券報告書の提出期限と株主総会開催期限の一律延長が必要である。
こんなところでしょうか。
やはり、会計基準の柔軟対応については触れられていません。

詳しくはこちらの声明をご覧下さい。
日本公認会計士協会会長声明

企業決算への新型コロナの影響

今日にも一都七県に緊急事態宣言が出されます。
4月5月は3月決算法人の決算作業が行われる時期ですが、新型コロナの影響が決算にも影響しそうです。

4月3日付けの日経新聞朝刊に「店舗・工場の減損見送り 金融庁など、会計ルール弾力化
コロナ対策で協議会」との見出し記事が出ていました。
内容は新型コロナの影響で懸念される固定資産の減損※について、運用ルールを弾力的にするというものでしたが、
「コロナの影響がこんなところまで!」とびっくりして読んだものです。
しかし、同日付けの日本公認会計士協会ウェブサイトでは、この報道内容を否定するお知らせが掲載されています。
どちらが正しいのかと問われれば、会員である私としては会計士協会を信じるほかないのですが、いずれにしてもこれから2ヶ月間は、いろいろなことが出てきそうです。

なお、決算スケジュールについては、金融庁、法務省、国税庁それぞれから対応方針が示されています。
金融庁HP
法務省HP
国税庁HP
個人の確定申告については4月17日まで申告期限が延長されていますが、それ以後も柔軟に対応する旨が公表されています。
また、法人税等についても申告期限の延長について、個別に対応してくれるようです。

※固定資産の減損とは、所有する土地や設備などの固定資産の収益性が低下し、その固定資産への投資金額を回収できる見込みがなくなった場合に、一定の基準に基づいて資産の価額を帳簿上で減額する会計上の手続きをいいます。

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