税務の最近のブログ記事

先日、親しくさせていただいている取引関係の方からご質問をいただきました。
MS法人が医療法人の出資持分を持つことができるか?という内容だったのですが、
この点については、平成28年3月25日発出の厚生労働省医政局長通知「医療法人の機関について」で明らかにされています。
しかし、まだご存じない方もいらっしゃるようなので、おさらいを兼ねて書いておきたいと思います。

①MS法人は医療法人の出資持分を持てるか?
A:持つことができます。
上記の局長通知が発出される以前に「医療法人に対する出資又は寄附について」という疑義照会が行われ、「出資又は寄附によって医療法人に財産を提供する行為は可能であるが、それに伴っての社員としての社員総会における議決権を取得することや役員として医療法人の経営に参画することはできない」旨、回答されています(平成3年1月17日東京弁護士会会長あて厚生省健康政策局指導課長回答)。
つまり、法人が医療法人に出資することは可能だが、社員となることはできないと解され、これが実務上も通説となっていました。

②MS法人は医療法人の社員になれるか?
A:なれません。
上記の局長通知では「社団たる医療法人の社員には、自然人だけでなく法人(営利を目的とする法人を除く。)もなることができること。」と明記されています。
ここで、営利を目的とする法人とは、利益の配当を行う法人(株式会社、有限会社、合同会社等)を言います。MS法人はほぼこの中のいずれかに該当するでしょうから、社員となることはできません。
逆に言えば、利益の配当を行わない法人(社団法人、財団法人など)は社員となれます。

③営利を目的としない法人は医療法人の社員となり、出資持分を保有できるか?
A:できません。
①、②からは、営利を目的としない法人が医療法人の社員となり、出資持分を持つことが可能なように思えますが、局長通知に添付された「医療法人の運営管理指導要綱」の「社員」の欄に以下の記載があります。
「なお、法人社員が持分を持つことは、法人運営の安定性の観点から適当でないこと」
このため、仮に営利を目的としない法人が医療法人の社員となっても、この法人社員は持分を持つことができません。

④注意事項
上記のように、MS法人が出資持分を持つこと自体は可能なのですが、自然人と違い、法人は死亡することがなく、また、社員になれない以上、退社(医療法人の社員から退くこと)することができません。
このため、出資持分の払戻請求を行うことができず、唯一、医療法人解散時の残余財産請求権だけが発生することになります。

令和2年税制改正大綱

令和2年の税制改正大綱が令和元年12月20日に閣議決定されました。

医療関係で注目されるのは、なんと言っても「持分なし医療法人への移行認定制度」
関連の適用時期が3年間延長されることでしょう。

ただし、「良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律の改正」が前提となっていますので、もう一つハードルがあるっちゃあるのですが・・・

いずれにせよ、今年9月末までであった適用期限が令和5年9月末まで延長されるのは、
時間切れであきらめかけていた法人関係者にとってはありがたいことでしょう。

このアーカイブについて

このページには、過去に書かれたブログ記事のうち税務カテゴリに属しているものが含まれています。

前のカテゴリはヘルスケアです。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

カテゴリ

Powered by Movable Type 4.261